SE!
休日二日目の6月23日。休日といっても頭は休む暇がなく、猛烈インプットの嵐であった。専門書の嵐で頭痛・知恵熱の一歩手前である。
新しいことを学ぶというのは特に脳にかかる負担が大きいものである。
そういったときに手軽にストーリー仕立てで読めるライトノベルは魅力的である。
ということで本日ご紹介したいのは「なれるSE!」夏海公司著。
筆者はIT関連を猛勉強中である。
思えばここ数年様々なことを学んできた。ここ半年では自分が勉強すべき分野を集約化したため、主に3分野にて勉強中であるが、中でもIT関係の勉強は骨が折れる。
何しろ専門用語のオンパレード。聞きなれなカタカナがつらつらと並ぶ専門書を一日中眺めていれば、知恵熱の一つや二つ出てもおかしくはないというものだ。
そんな中にあって、本書はひと時の安らぎを与えてくれる。
平易な文章且つストーリー仕立てIT業界に関する知識やあるあるを教えてもらえる。
主人公の桜坂工兵は筆者と同様、IT業界に何の知識も持たない社会人一年生。
半ば詐欺のような株式会社スルガシステムの採用の罠にはまり、そこでは残業・休日出勤・上司からの無茶振りが当たり前のハード・SE・ライフが待っていたのだった。
主人公の工兵は「IPアドレス」「コンフィグ」といった用語も知らないド素人のため、なりたてSEやIT業界の勉強をしている人にとっては感情移入しやすいのではないだろうか。あるいは、ベテランエンジニアでも、過去を回顧するような感覚を味わえるかもしれない。
本書を読むのはひと時の安らぎと言ったものの、内容はかなりタフである。
著者の夏海氏も元々はIT業界で働かれていたという実体験に基づくエピソードであり、独学プログラマの自身としては、現役エンジニアの努力に負けじと努力を積み重ねなければならないと、そんな感情を奮い立たせてくれる一冊である。
筆者はこれが初めて読んだライトノベルであったが、
キャラクターも含めてビジュアル化されているため、記憶に定着しやすく、良い勉強になった。おすすめの章は「レイヤー2」。工兵が初めてシステムを組み上げるシーンである。
「気持ちいいでしょ?」
室見さんの言葉は一度コードを実行したことのある人物なら共感できるのではなかろうか。
メルカリで11巻セットを購入したため、今後は定期的にシリーズとして紹介していきたい。
本書を紹介すること筆者同様、IT業界に興味を持つ人が出来れば嬉しい限りである。
(この本の内容に従うならばIT業界は地獄であるが。。。)