2019-06-07 やきにく 炭火の上で脂の弾ける音がリズムを刻んでいる。今ほど「タイミング」というものに拘る時間はない。視覚・聴覚・嗅覚、全てをただ一点、網の上に集中させる。 さながら標的をスコープで覗くスナイパーの感覚。 無心でひたすら「その時」を待つ。 パチッ 刹那、引き金が引かれ、ターゲットは白い大地に崩れ落ちるように横たわる。 仕留めた標的は誰にも見つかってはならない。 速やかに処理しなくては。 塩だれをくぐらせると、全てを飲み込む洞穴の中にターゲットを葬り去る。 ミッションクリア。